「事なき」を「得る」ための活動

「事なき」を「得る」ための活動

2025, Apr 19    

見るほどに治安の悪くなっていくSNSことX(旧twitter)ですが、ふとバズっているツイートを見つけたので。

”この価値が分かる人はそう多くない。”は余計な一言のような気もしますが、そう思いたくもなる日々を過ごしているのかもしれません。 僕もこの1年セキュリティに力を尽くしました。AWS上で稼働しているサービスのセキュリティを強化することはもちろん、会社本体の組織や従業員が利用しているツール、そして従業員の意識の向上に力を注いだわけですが、セキュリティの価値は日常ではなかなか分かってもらえません。面倒くさい、時間とお金の無駄と軽視されているなぁと思うこともあります。そして何か問題が起こった時にはじめてその価値が「見える化」しますが、だいたいは「セキュリティ担当は何をやっているんだ」と言われるのでしょうね。報われない話しです。

ただ、このような仕事は世の中には意外とたくさんあると思います。

薬剤師がきちんとした仕事をすると一体何が起こるのか?答えは「何も起こらない」この価値が分かる人はそう多くない→「『何も起こらない』のがどれ程ありがたい事かと」「正常に保つのにどれだけの費用とか苦労がかかっているのかを見えない人は一定数居る」

マイナスをゼロにする仕事って日の目を見ることはないし、大衆の目に晒される時は大抵良くないことが起きたときなんですよね

問題が発生!劇的に対応して解決!ってのはマンガやドラマではカッコいいですけどね。 問題が発生!しないように事前に食い止める!方がありがたい

何も起こらないし 何も起こさないことが、仕事を真っ当しているって中々評価されないと思う。

畑違いだけどネットワークの保守とか 電線保守とか 警察や警備員の巡回とか ビルメンテナンスとか 他にもたくさんあるだろう

これらの言葉はセキュリティ担当者に向けられた言葉ではないですが、自分に対しての言葉のように心が熱くなります。このまとめの最後にある言葉 「事なきを得る」 は、”問題なく終わる”、”大事にならずに済む”という意味の慣用句ですが、つまり「何もない」という結果を「得る」仕事であり、アウトプットはある、ということになります。

Google「何も起こらない 仕事」と検索すると以下のようなnoteも見つかりました。

何も起こらないことの価値。褒められなくても大切な仕事がある

結論として、 僕たちの仕事を含め、予防というものの価値をいかに適切に伝達するかが肝要である。 タイミングと伝え方が本当に重要だ。 そして、適切に伝えたら、あとは黙々と質の高い仕事を継続することが、僕たちの使命なんじゃないかと思う。

よい記事を見かけました。セキュリティも縁の下の力持ちといえる仕事です。「何も起こらない」ための日々の活動は地味で目立たない仕事ですが、ここにあるようにセキュリティの重要性を経営陣に伝え、自分の考えを適切に伝えるタイミングは今なのでは、とこの記事を読んで思いました。

今回の記事はセキュリティにほとんど関係のない内容と思った人もいると思いますが、この記事を書いているこの日は、僕にとってはセキュリティに関する大きな仕事をやり遂げたと同時に、解決しなければならない課題をたくさん見つけ、自分の会社での役割を再度考えるに至った日でした。今後もセキュリティの専門家としての矜持とプロ意識をもって働いていきたいです。