実務経験者に対する講習制度について
日々の業務で十分な実務経験を積んでいると認められた場合、3年に1度の「実践講習」が免除されます
※”情報処理安全確保支援士”は長いのでこの後は通称の”登録セキスペ”という単語を使います。
今年の春、登録セキスぺに係る大きなニュースがIPA(情報処理推進機構)からありました。
これまで登録セキスぺの維持には、3年に1回、高額で拘束時間の長い「実践講習(集合講習)」の受講が必須でした。初めて自分が受講した時はというオフラインでの講習こともあり、受講料10万円したはず・・・有給休暇を取って参加しました。 その後コロナ禍となり、オフラインで集合研修することが難しくなり、オンライン研修が実装されましたがそれでも7万円程度だったはず。会社が肩代わりしてくれるならありがたいですが、そうでなければ自腹です。とてつもない出費です。この出費に見合ったインセンティブがないことが多くの支援士が登録セキスぺに対して不満に思っていた点だったでしょう。
新制度では、日々の業務で十分な実務経験を積んでいると認められた場合、この「実践講習」が免除され、毎年実施している「オンライン講習」のみを受講すれば良くなります。他にも中小企業に対してセキュリティを指導している人や、セキュリティに関するセミナーで発表をしている人も実績があれば免除されます。というか、今まではこういう人たちもお金払って講習を受けていたのか…釈迦に説法ですね。
実戦経験豊富な人たちにそれを多額の費用と時間拘束で受けさせるのは現場からの疑問もあったのでしょう。それを踏まえて制度を改訂したと思われます。
この記事を見る人はほぼ全員私と同じサイバーセキュリティに関係する実務を行っている人だと思います。 今回自分の備忘録も兼ねて、本制度の手順をまとめました。参考になると幸いです。
私は会社のプロダクト設計、開発、運用保守すべてにセキュリティを意識して取り組んでいます。インフラエンジニアですが元アプリケーションエンジニアということもあり、開発におけるセキュリティ周りについてもチェックしています。運用保守は、アラートの条件やアラート発生時の障害対応手順書を作成し、運用代行業者へのアウトソーシングにも取り組んでいます。 専用業務ではありませんが、中小企業ならすべてやるのが自然であり、その中でプラスワン人材として関わっています。
- デジタルシステムアーキテクチャー
- デジタルプロダクト開発
- デジタルプロダクト運用
一方、情シスも兼務しており、プライバシーマークの更新における作業をほぼ一手で担い、従業員へのeラーニングやセキュリティの啓発などの活動も行っています。また会社のセキュリティ担当として取引先にセキュリティチェックシートを提出したり、ミーティングに参加して社内のセキュリティついて説明したりしています。
- セキュリティ経営(プライバシーマーク、社内へのセキュリティ啓発)
- セキュリティ統括(取引先へのチェックシート提出・セキュリティ説明)
条件は十分満たせていそうですね。それでは申請手順を確認しましょう。 なお、この申請期間はとても短く、今回の実践講習必須としている人は3か月以内に手続きを完了させる必要があります。
ポータルにログイン後メニュー右下にある「民間事業者等が行う実践講習のご案内」をクリックします。
実務経験者に対する講習制度 申請手続きのご案内 ※要ログイン
まず、上記の手引きにあるようにセキュリティに関する業務を定められた期間以上従事していることを確認します。 次に、申請様式(Excel)をダウンロードします。 Excelは2種類あります
- ITSS+(プラス)に定めるサイバーセキュリティに関係する実務_申請様式
- 中小企業に対するマネジメント指導テーマに基づく支援業務_申請様式
私を含めて多くの人は「ITSS+(プラス)に定めるサイバーセキュリティに関係する実務_申請様式」のほうを使うと思います。 ここで困ったのが私の個人PCにはMicrosoft Officeがインストールされていないため、そのままではExcelが開けませんでした。Googleドライブにアップロードしましたが、一部のExcel関数は動きません。会社の上司に記入を依頼する必要があるので、結局会社のパソコンで作業を行うこととしました。これについてはスプレッドシートでも開けるようにしてほしいですし、Excel固有のマクロは組み込まないようにしてほしいです。
申請者の記入が終わったら評価者(上長や顧客)に申請者用の業務実績に嘘偽りがないことを確認していただき、署名してもらいましょう。 無事日ごろの行いが認められ、署名をいただくことができたら、ポータルから「受講の申し込み」へ進みます。分かりにくいですが受講申込画面から手続きを進めます。実践研修を受けなくても、登録セキスぺの更新のために3,500円が必要ですのでそこは認識ください。
更新料の支払いが完了したら申請書を提出するための申請システムにアクセスします。URLは申請手続きのご案内に掲載されています。仮パスワードから本パスワード登録を行い、システム上でExcelをアップロードします。
アップロード完了してから約2週間後に以下のメールを受信しました。
情報処理推進機構(IPA) 実務経験者に対する講習制度 運営事務局です。 実務経験者に対する講習制度の申請について、認定しましたので通知します。
認定通知書はログイン後以下のURLからダウンロードできます。かなり見つけるのに苦労しました。
https://riss.ipa.go.jp/el/riss/courseResults/list
これにて3年に1度の講習が終わったということですので、いよいよ登録更新申請を行います。 情報処理安全確保支援士のマイページより登録更新を選択し、手続きを進めます。 登録申請を受け付け、審査に入ります。審査は約1年後、気をもんでしまいますね。
あとは来年7・8月の審査を経て登録セキスぺ更新・・・とはなりません!! こちらは登録日・更新日別講習受講および登録更新サイクル早見表になりますが、更新のためには直近3年のオンライン研修+実践講習or実務経験者に対する講習の合計4つの研修を完了させる必要があります。実務経験者に対する講習制度申請受付期間は始まったばかりですが、この後3回目のオンライン講習がスタートします。こちらを忘れずに受講しましょう。

